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Posted by TI-DA at

2015年03月05日

僕が菜食をやめた理由 ⑧

僕が菜食をやめた理由 ⑧

「正しいマクロビオティックが出来ていない」

この言葉にどれだけの人達が自分を追い詰め、
どれだけの人達が体と心を壊して行ったでしょうか?

ごめんなさい。僕も似たようなことを言ったことがあります。
心の底から反省しています。

塩加減、煮炊き時間、カットの仕方、鍋の選定、
玄米の洗い方、水加減、炊き時間。
こういった物が陰陽を左右し、きちんと出来ないとバランスを崩すと言います。

玄米の炊き時間の1分2分の差が人生を左右するとか
言うバカな人までいます (酷いビジネスです)。

彼らが模範としているのは、江戸時代に代表される
伝統的和食や粗食です。

どうしたら江戸時代の農民や人々がこんなこと気にして料理していたと
想像できるんでしょうか。

突っ込めばきりがないほどおかしな考え方が多数存在します。

マクロビオティックの事ばかり書いていますが、
ローフードでもナチュラルハイジーンでも同じことです。

かの有名な「フィットフォーライフ」の著者、
ハーヴィーダイアモンドは言います。

「人間の体は70%水分である。
従って食物の70%以上を水分を豊富に含む
果物や野菜から採るべきである。」

人間の体は水分を除くと約60%がタンパク質で構成されます。

皮膚、筋肉、毛、爪、血液など、すべてタンパク質を主として作られます。
当然水分で体が作られるわけではありません。
さらに果物の主要成分は炭水化物です。
それでどうして体が作られるのかという記述は著書の中にありません。

「人間の体は水分が一番多いのだから、
命である水を豊富に含む食物を中心にするべき」

ただこれだけ書いてます。
マクロビオティックの「人は本来玄米だけでも生きられる」
などと同じく、まったく根拠も実例もなく、宗教的です。

コレステロールを悪者にし、肉食を否定し生菜食を宣伝する
ハーヴィー氏ですが、つい最近アメリカの農務省と保健福祉省は
「コレステロールの取り過ぎは心配なし」と
食事指針の中のコレステロール摂取上限値を撤廃しました。

これにより、マクロビオティックが正しいとする根拠として
よく引用される「マクガバンレポート」もまた、当てにならない
嘘が含まれることが発覚しました。

菜食の人は、菜食の人の中の情報からしか学びません。
だからほんの少し自分で調べれば分かる大嘘に騙され、
正解にたどり着くことはありません。

僕はアメリカでマクロビオティックを確立させ
日本へ逆輸入した立役者、久司道夫の書いた
辞典のような分厚い本「ザ・マクロビオティック」を
隅から隅まで目を通しました。

各病状に対するマクロビオティックの対処法が
書かれていますが、何の役にも立ちません。
ほぼ全てを「動物性食品、焼きしめた小麦粉、砂糖入りのお菓子、
熱帯産果物やジュース」が原因であるとひたすら書き記しており、
本当に効くのか分からない家庭療法が書き連ねてあるだけです。
(例え家庭療法が効いたとしてもマクロビオティック自体に
病気になる原因があるので、一生抜けられない無限ループに嵌ります)

マクロビオティックをやりながらも低血糖症である
自覚があったので、現在生きている中で最も影響力が強い
講師の1人、奥津典子氏の書いた「本当に怖い低血糖症」に
救いを求めました。もちろん何の解決策にもなりません。

「脳の唯一のエネルギーはブドウ糖」
「低血糖症を治すには、ご飯をしっかり食べる事」
「動物性食品を摂らないこと」

など、治すどころか低血糖症を悪化させる
生理学的に大嘘な事ばかり書き連ねてあります。

意図的にしているかと思うほどのデタラメな記述ですが、
おそらく素でやっています。
僕も同じだったので、悪意は無いことは分かります。
(悪意を持っているのはもっと上にいる人達です)

そして、そこがまた問題なのです。
悪意が無いから一生懸命伝えます。
知識がない人や素直な人は、まさか嘘を言っていると
思わず信じ込みます。この無限ループが続いていきます。

そもそもマクロビオティックに何の根拠も研究もありません。
石塚左玄の食養理論は間違った部分こそあったものの
栄養学に基づいた今のオーソモレキュラーの先駆けとも
言えるものだったそうで、この時代にカリウムとナトリウムの
バランスを発見したのは画期的でした。

桜沢如一は、もともと栄養学的であった石塚左玄の
「夫婦アルカリ論」に独自に易学の陰陽理論、
仏教の世界観をプラスし、食から宇宙真理に繋がるという
哲学「無双原理 (マクロビオティックの根幹となる陰陽論です) 」
を創り上げました。

この無双原理になんの根拠もなく、桜沢のただの思い付きによって
考案された宗教的なものです。

桜沢の一生を追った書籍「桜沢如一。100年の夢」によれば、

「食養は幸福の密教である。」
「指導原理はたったひとつの世界観、宇宙観でなくてはならない。」
「世界新秩序を建設する」

など桜沢如一自身が発言しており、
宗教的感覚に思いっきりハマっている事が伺えます。

と、いうよりも、もはや最初から宗教・・・

僕自身も、目が覚めた後に、
石塚左玄と桜沢如一の理論はまったく別物である事を
長尾周格先生から教えていただきました。

こういったマクロビオティックの発生を調べた上で
納得して活動している講師や料理人は一体どれ位いるのでしょうか?

残念ながら過去の自分も含め、ほとんどいないと思います。
  



2015年02月27日

僕が菜食をやめた理由 ②

僕が菜食をやめた理由 ②

体力の低下を感じていました。
相方と「健康的なごはんを販売してるはずだけど私たち不健康だよね」
とよく話していました。
どちらかと言うと、気力の低下の方が酷かったのかもしれません。
特に僕と同程度の菜食歴であった相方の様子の変化は著しく、
年々、強い意思や勇気を持つことが困難になっているように
見えました。

マクロビオティックの観点から言えば
良くないとされる食事をしている人達の方が
元気な人が多いことを、僕たちは分かっていました。
逆に、長年の菜食者に不健康であったり
精神的に問題がある人が多いのも分かっていました。

僕は相当数の厳格な菜食主義者に会ってきましたが、
長年のヴィーガンで心も体も元気そうだな、
と思える人に1人も出会ったことがありません。
(ずっと抱えていた疑問でした・・・)

それでもなぜヴィーガンを、マクロビオティックを
続けていたのでしょう?

僕は畜産工場が嫌いでした。
山で個人が猪を狩猟したりするのは、それも身土不二であり
きちんと命と向き合うことであり、反対ではありませんした。
ただ大規模な畜産はあまりに人と動物がアンフェアだと感じていました。
環境問題にもそれなりに関心がありました。
粗食でも、ヴィーガンでも生きられる、
いやむしろより健康的に生きられるという
マクロビオティックの教えは、すぐに僕の
心を魅了しました。

世界中が汚染され、飢餓で死んでいく人々も
多い中、肉を食べるのは倫理的に
許せないと思うようになりました。

植物性でも、美味しい料理は十分に可能です。
ならば、これで生きていこう。
食料を自給せず金で買う都市生活者が
わざわざ肉を選択する理由などない、
食を変えるだけで食料や環境問題の解決に貢献できるならば、
菜食の良さを知ってもらうために活動しよう。

安全な食材を求め走り回り、
手間がかかり原価も高いオーガニックな
菜食料理はまったくお金になりませんが、
嘘ではなく少しでも世界に貢献したいという
思いで長年菜食料理人を続けてきました。

僕は食事法というよりも、食から世界平和に繋いでいくという
その哲学を愛していました。

しかしそうしている内に、マクロビオティックという
「宗教」にハマりました。